ロスチャイルド (Rothschild) は、イギリス・フランスで金融業を中心に活動しているユダヤ系の財閥。ドイツ語読みでロートシルトと呼び習わすこともある(赤い盾の意味)。英語ではロスチャイルドのほかにローススチャイルド、ラスチャイルド、ラススチャイルドという発音もある。
初代のマイヤー・アムシェル(1744-1812年)がフランクフルト・アム・マインで開いた古銭商・両替商に端を発し、ヘッセン選帝侯との結びつきで経営の基礎を築いた。ヨーロッパに支店網を築き、彼の5人の息子がフランクフルト・ロンドン・パリ・ウィーン・ナポリの各支店を担当、相互に助け合いながら現在のロスチャイルドの基盤を築いた。
特にロンドンのネイサン(1777-1836年)とパリのジェームスが成功を収めた。ネイサンはナポレオンが欧州を席巻する中で金融取引で活躍し、各国に戦争の資金を融通した。また、ワーテルローの戦いでナポレオン敗退の報をいち早く知ると、株取引で巨額の利益を得た。一方、ジェームスは当時の成長産業だった鉄道に着目し、パリ〜ブリュッセル間の北東鉄道を基盤に事業を拡大していった。
パリのロスチャイルドは、1870年に資金難にあえぐバチカンに資金援助を行うなどして取り入り、その後ロスチャイルド銀行は、ロスチャイルドの肝いりで設立されたヴァチカン銀行(正式名称は「宗教活動協会」、Instituto
per le Opere di Religioni/IOR)の投資業務と資金管理を行う主力行となっている。
ロンドンのロスチャイルドは、政府にスエズ運河買収の資金を提供したり、第一次世界大戦の際にユダヤ人国家の建国を約束させる(バルフォア宣言:後のイスラエル建国につながる)など、政治にも多大な影響力を持った。
詳しい内容
|